真島あみの世界へようこそ。
はじめてこの世界に訪れた方はこちらをご覧ください → 🪷
🌹・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌹
募集中のセッションはこちら

お申し込みはこちらから
真島あみの真骨頂🌹永遠に色褪せない“褒め言葉”という美容液

インスタグラムもしています🙌
@amimajima で検索してくださいね。

澪は古いノートを机の上に置いたまましばらく過ごしていた。
いつか、誰かの夜に灯りを置けるような文章を書きたい。
昔の自分が書いたその一文は、澪の胸の奥で静かに光り続けていた。
それは強い光ではない。
部屋全体を明るく照らすような眩しさではない。
しかし暗い場所に置かれた小さな蝋燭のように、消えずにそこにあった。
言葉が私の蜜かもしれない。
澪はまだそのことを誰かに堂々と言えるほどの自信はなかった。
しかし何かが戻ってきている感覚はあった。
朝、百合に水を替える時。
通勤電車の窓に映る自分を見る時。
昼休みに誰にも見せない手帖を開く時。
澪は少しずつ、自分の中にあるものに耳を澄ませるようになっていた。
何を美しいと思うのか。嫌だと思うのか。
何に傷つくのか。何を本当は望んでいるのか。
その問いは時に優しく時に残酷だった。
自分の心に触れるということは、自分の痛みにも触れるということなのだ。
けれど澪はもう、何も感じないふりをする場所には戻りたくなかった。
その週の金曜日。
澪のもとに一通のメッセージが届く。
差出人は夜会で出会った芍薬の女性だった。柔らかく、どこか儚い空気を持つ人。
夜会の夜、彼女は澪にこう言っていた。
「優しさは美しいものです。でも自分を削り続ける優しさは、いつか花を枯らします。」
その言葉が澪の中に残っていた。
メッセージにはこう書かれている。
もしよければ少しお茶でもしませんか?
花人としての最初の季節は、心が揺れることも多いものですから。
澪はしばらく画面を見つめる。
誰かに誘われることは決して珍しいことではない。
職場の同僚とのランチ、昔の友人との近況報告。
しかしこの誘いは少し違っていた。
澪の中の何かを丁寧に扱ってくれるような響きがあった。
澪は短く返事をする。
ぜひ、お会いしたいです。
送信したあと、胸が少し温かくなった。
自分から誰かに会いに行きたいと思うこと。それもまた、蜜の気配なのかもしれなかった。
待ち合わせ場所は古いホテルのラウンジだった。
街の中心にあるのに、そこだけ時間の流れが少し遅い。
高い天井。磨かれた木の床。壁際に飾られた季節の花。
窓辺には午後の光がやわらかく差し込んでいた。
澪が少し早めに到着すると、芍薬の女性はすでに席に座っていた。
淡い薄紅色のブラウスに真珠の耳飾り。華やかすぎないのに目を引く。
彼女のまわりだけ花びらが静かに重なっているようだった。
「澪さん。」
芍薬の女性は柔らかく微笑んだ。
「お会いできて嬉しいです。」
「こちらこそ、お誘いいただいて嬉しかったです。」
澪は少し緊張しながら席に座った。
紅茶が運ばれてくるまでの間、二人はしばらく花の話をした。
最近澪が百合の隣にスイートピーを飾ったこと。雨の日の百合が晴れの日よりも深く見えたこと。
古いノートの中に昔の自分の言葉を見つけたこと。
芍薬の女性はひとつひとつを急がずに聞いてくれた。
相槌は少ない。しかしその沈黙が心地よかった。
聞いているふりではなく、本当に受け取ってくれているのが分かる。
澪は話しながら思った。
この人の優しさは薄く広がるものではない。深い器のようだ。
誰の言葉でも無差別に受け入れるのではなく、目の前にいる人の言葉を、その時だけ丁寧に受け取っている。
その違いが澪には少し不思議だった。
紅茶が運ばれてきた時、芍薬の女性のスマートフォンが震えた。
画面を見た彼女は一瞬だけ目を伏せる。そしてすぐにスマートフォンを裏返した。
「出なくて大丈夫なんですか?」
澪が尋ねると、芍薬の女性は静かに微笑んだ。
「今は澪さんとお茶をしている時間ですから。」
その答え方がとても自然だった。我慢しているようにも、冷たく切り捨てているようにも見えない。
ただ自分の時間を自分の場所に戻しているだけ。
しばらくしてまたスマートフォンが震えた。今度はメッセージだった。
芍薬の女性は画面を見たあと短く返信をする。澪は思わずその横顔を見つめた。
「あの……そんなふうに言えるの、すごいですね。」
芍薬の女性は少し首をかしげた。
「何がですか?」
「私なら、連絡が来たらすぐ返してしまうと思います。相手が困っているなら聞いた方がいいのかなって。」
芍薬の女性は紅茶に視線を落とした。
「以前の私はそうでした。誰かが困っているとすぐに手を差し出していました。夜中でも、疲れていても、自分の予定があっても、相手がつらそうなら放っておけなかった。」
「優しいですね。」
澪がそう言うと、芍薬の女性は少し寂しそうに微笑んだ。
「そう言われることがとても多かったです。」
「違うんですか?」
「優しさだった時もあります。でもすべてが優しさだったわけではありません。」
澪は黙って続きを待った。
「必要とされたかったんです。」
芍薬の女性は紅茶のカップを両手で包む。
「貴女がいてくれて助かった。貴女は本当に優しい。貴女にしか話せない。そう言われるたびに自分には価値があるような気がしました。」
それは澪にも分かる感覚だった。
「でもいつの間にか私は、誰かの感情の置き場になっていました。」
芍薬の女性の声は淡々としている。けれどその奥には確かに痛みがあった。
「恋人の愚痴や夫婦の不満。職場の怒り。皆、私のところへ持ってきました。私は聞いて受け止めました。励ましました。そして相手は軽くなって帰っていく。」
澪は息を呑んだ。
「そのあと、貴女は……」
「重くなっていました。」
芍薬の女性は静かに言った。
「けどそれを言えませんでした。優しい人でいたかったから。」
澪は自分の手元を見つめる。
優しい人でいたい。いい人でいたい。分かってくれる人でいたい。その奥に、必要とされたい願いが隠れていることがある。
澪はこれまでの自分を思い返した。
職場で急な仕事を頼まれた時。本当は嫌なのに笑って引き受けたこと。
同僚の話を聞きながら、本当は疲れているのにずっと頷いていたこと。
そして佐伯さん。
佐伯さんに対して澪は何かをしてあげたわけではなかった。
告白もしていない。支えたわけでも尽くしたわけでもない。しかし心の中ではずっと彼に何かを流し続けていた。
朝、彼の姿を探して一言話せた日は嬉しくなる。少し冷たく感じる日は落ち込む。
彼の予定を気にする。彼の笑顔を思い出す。彼が結婚したと知って、自分の人生まで終わったように感じる。
それは誰にも見えない自己放棄だったのかもしれない。
自分の感情をずっと佐伯さんに預けていた。
澪はゆっくり口を開いた。
「優しい人でいることと、自分を守ることは、両立できるんですか?」
芍薬の女性は澪を見つめた。
その瞳はとても柔らかい。
「冷たくなるのではありません。」
そして静かに言った。
「蜜を守るんです。」
澪はその言葉を胸の中で繰り返した。
蜜を守る。
「蜜は誰にでも流していいものではありません。」
芍薬の女性は続けた。
「貴女の優しさ。時間。言葉。愛情。身体。感性。それらはすべて貴女の蜜です。」
澪は息をするのを忘れそうになった。
「私たちはそれを軽く扱いすぎてしまうことがあります。求められたら差し出して、寂しそうな人がいたら注ぐ。自分を雑に扱う人にまで、笑顔で蜜を渡してしまう。」
「それはいけないことなんでしょうか?」
澪が尋ねると芍薬の女性は首を振った。
「いけない、ではありません。ただ花は枯れます。」
その一言は静かだけれど重みがあった。
「蜜を与えることは美しいことです。でも花自身が枯れてしまっては、蜜は続きません。」
澪は手帖を開きたくなった。今すぐこの言葉を書き留めたいと思った。
芍薬の女性は、そんな澪の様子に気づいたように微笑んだ。
「どうぞ。」
澪は鞄から花人手帖を取り出しペンを持つ。
そして書いた。
優しさも、時間も、言葉も、愛情も、感性も蜜。
蜜は誰にでも流していいものではない。
冷たくなるのではなく、蜜を守る。
書きながら澪の中で何かがつながっていく。
言葉が自分の蜜かもしれない。そう思い始めたばかりだった。
しかし言葉が蜜なら、澪はこれまでどれだけ不用意に言葉を使ってきただろう。
本当は言いたくない「大丈夫です」
疲れているのに言う「手伝います」
傷ついているのに言う「気にしていません」
自分を守るためではなく、相手を不快にさせないために使ってきた言葉。それもまた、蜜を薄めてきたのかもしれなかった。
芍薬の女性は言った。
「花人として生きると、誰にでも優しくすることが美徳ではなくなります。」
「少し怖い響きですね。」
「はい。最初は怖いです。」
彼女は静かに頷いた。
「嫌われるかもしれないし、冷たいと思われるかもしれない。前の方がよかったと言われるかもしれない。
でも、それでも自分の蜜を守らなければならない時があります。」
澪は胸の奥で佐伯さんを思い浮かべた。もう彼に心を流し続けたくない。
彼の一言で自分の価値を測りたくない。彼の人生の外側で、自分だけが泣き続ける場所にはいたくない。
しかし、完全に何も感じなくなるわけではない。
まだ痛むしまだ揺れる。その自分をどう扱えばいいのか分からなかった。
「昔、好きだった人がいるんです。」
澪はぽつりと言った。
芍薬の女性は何も聞き返さなかった。ただ澪が続けるのを待ってくれた。
「長い間何も言えませんでした。好きだとも、寂しいとも、選んでほしいとも。何も言わずにただ心の中で待っていました。」
澪の指先が手帖の端をなぞる。
「その人は結婚してもうすぐ父親になります。私は、何も始まらなかったのに終わった気持ちになりました。」
声が少し震えた。
「私は彼に何かを与えたわけではないと思っていました。何もしていない。ただ片思いしていただけだって。」
芍薬の女性は静かに頷いた。
澪は続ける。
「でも本当はずっと、心の中で蜜を流していたのかもしれません。彼の反応に自分の一日を渡していました。彼の未来に自分の感情を預けていました。」
言葉にすると胸が痛かったが、同時に自由になっていく感覚もあった。
芍薬の女性はゆっくりと言った。
「澪さん、それに気づけたなら、もう戻る必要はないと思います。」
「いいんでしょうか?」
「はい。」
彼女は花びらのように微笑んだ。
「想いがあったことを否定しなくていいです。好きだったことも、待っていたことも、痛かったことも、すべて貴女の一部です。でもこれ以上そこへ蜜を流すかどうかは、貴女が選んでいいんです。」
これ以上そこへ蜜を流すかどうかは、選んでいい。それは澪がこれまで考えたことのない言葉だった。
好きならどうしようもない。忘れられないなら仕方ない。苦しいなら耐えるしかない。
そんなふうに思っていた。
しかし花人として生きるなら、自分の蜜を守るなら。
痛みがあっても、流す先は選べるのだ。
澪は手帖に書いた。
私は、佐伯さんに心の蜜を流し続けていた。
その想いを否定しなくていい。
でもこれ以上流すかどうかは、私が選んでいい。
その一文を書いた時、胸の奥で何かが静かに閉じた。
終わりというよりも、境界線が引かれたようだった。
その夜、澪は秘密の花園へ向かった。
芍薬の女性と別れたあと、どうしても魔女に会いたくなった。
黒い鉄の門をくぐると温室の中には夜の花の香りが満ちていた。
白い百合が月明かりを受けて静かに光っている。
魔女は奥の部屋で燭台に火を灯していた。
「いらっしゃいませ、澪さん。」
魔女は振り向きもせずに言った。
澪は思わず笑ってしまった。
「やっぱり分かるんですね。」
「花が水を求める時と、問いを抱えている時は、気配が違いますから。」
魔女は澪を椅子へ案内した。
今日の魔女は、黒いドレスに白い襟を合わせていた。古い肖像画から抜け出してきたような姿だ。
澪は芍薬の女性と話したことを伝えた。
蜜を守ること。
優しさも、時間も、言葉も、愛情も、感性も蜜であること。
そして佐伯さんに心の蜜を流し続けていたと気づいたこと。
魔女は黙って聞いていた。
すべてを聞き終えると、ゆっくり頷いた。
「大切なところへ辿り着かれましたね。」
「大切なところ……」
「ええ。」
魔女は澪の前に小さな硝子の器を置いた。器の中には黄金色の蜂蜜が入っていた。
月明かりを受けて濃く輝いている。
「蜜は与えるためだけにあるのではありません。」
澪は器を見つめた。
「蜜はまず、花の内側で育つものです。そして花にふさわしい者が訪れた時、初めて流れるもの。」
魔女は匙で蜜を少しすくった。
「貴女の蜜を奪う者。薄める者。踏みにじる者。当然のように求める者。そのような者へ流し続ければ、花は弱ります。」
「それでも、相手が悪い人ではなかったら?」
澪は尋ねた。
佐伯さんは澪を傷つけようとしたわけではない。
結婚したことも、父親になることも、彼の人生として当然のことだった。責めることはできない。
魔女は静かに答えた。
「相手が悪人である必要はありません。」
澪は顔を上げた。
「たとえ相手が悪人でなくとも、貴女の花が枯れる場所ならそこから離れてよいのです。」
その言葉は澪の胸の奥深くに落ちた。
誰かを責めなくても、離れていい。
相手を悪者にしなくても、自分を守っていい。
「澪さん。」
魔女はまっすぐ澪を見た。
「花人は恨みで境界線を引くのではありません。美を守るために境界線を引くのです。」
「美を守るため……」
「はい。貴女の花が美しく咲き続けるため。貴女の蜜がふさわしい場所へ流れるため。貴女の人生が、貴女自身のものとして戻ってくるため。」
澪は息を吸った。心の中で佐伯さんの姿が少し遠くなった。
消えたわけではない。痛みも記憶もまだある。
しかしそこへ自分の全部を流し続ける必要はないのだと思えた。
魔女は、澪に白い紙を一枚渡した。
「今夜の課題です。」
「はい。」
「貴女が、もう蜜を流しすぎないと決めるものを三つ書いてください。」
澪は白い紙を見つめた。すぐには書けなかった。
けれどしばらくして、ペンを取った。
一つ目。
佐伯さんの反応。
二つ目。
断れない頼まれごと。
三つ目。
澪は少し迷った。
そして書いた。
いい人でいるための言葉。
書き終えた瞬間、胸が震えた。
魔女はそれを静かに見ていた。
「いいですね。」
その声は儀式の終わりを告げるようだった。
「それらを憎む必要はありません。ただ、もう貴女の蜜を無条件に流さないと決めるのです。」
澪は頷いた。
「できるでしょうか?」
「すぐに完璧にできなくて大丈夫です。」
魔女は微笑んだ。
「花は一晩で強くなるわけではありません。しかし根を張る方向を変えた時から、育ち方は変わります。」
翌週の月曜日。
職場では朝から慌ただしい空気が流れていた。月末の資料提出が近づいており、皆どこか落ち着かない。
澪も自分の仕事に集中していた。
昼過ぎ、同僚が澪の席にやってきた。
「白石さんごめん。これ、今日中に少し見てもらえないかな。私、別件が詰まってて。」
以前の澪なら反射的にこう言っていた。
「大丈夫です。」
今もその言葉が口元まで来た。
しかし澪はそこで止まった。
自分の机の上には、今日中に仕上げるべき資料がある。定時後には、古いノートを開いて文章を書く時間を取りたいと思っていた。
それは誰かから見れば小さな予定かもしれない。しかし澪にとっては、蜜を育てるための大切な時間だった。
澪はゆっくり息を吸う。
「ごめんなさい。今日は自分の作業が詰まっていて、全部は見られないです。」
言った瞬間心臓が跳ねた。同僚は少し驚いた顔をした。
澪の胸がざわつく。
冷たいと思われただろうか。嫌な人だと思われただろうか。
しかし澪は続けた。
「でも、十五分だけなら確認できます。急ぎの部分だけ一緒に見ましょうか。」
同僚は少しほっとしたように頷いた。
「ありがとう。それだけでも助かる。」
それだけだった。世界は壊れなかった。関係が終わることもなかった。
澪は十五分だけ確認を手伝い自分の仕事に戻った。たったそれだけのことなのに指先が少し震えていた。
しかしその震えの奥には、不思議な静けさがあった。
自分を守った。相手を拒絶したのではない。自分の蜜を、必要以上に流さなかった。
澪は仕事の合間に手帖を開き、短く書いた。
今日は全部を引き受けなかった。
冷たくしたのではない。
蜜を守った。
その一文を見た時、澪は小さく微笑んだ。
その日の夜。
澪は家に帰り百合の水を替えた。
スイートピーはもう終わりに近づいていた。花びらは少し萎れている。それでも最後まで柔らかい白を保っていた。
澪はその花を捨てる前に、花人手帖を開いた。
今日のページにゆっくり書く。
蜜を流す相手を選ぶことは、誰かを嫌うことではない。
自分の花を守ること。
自分の時間を守ること。
自分の言葉を守ること。
そして少し迷ってから、もう一行足した。
私はもう、佐伯さんの未来に私の蜜を流し続けない。
私の蜜は私の花のために育てる。
そしていつか、ふさわしい場所へ流していく。
書き終えた時、胸の奥が痛んだ。
しかしその痛みは以前とは違っていた。
失う痛みではない。取り戻す痛みだった。
長い間外へ流し続けていたものを、自分の内側へ戻す時の痛み。
澪は窓を開ける。夜の空気が部屋に入ってくる。
百合の香りが静かに広がった。
花はただ咲いているだけではない。自分の蜜を育てている。
そしてその蜜を誰に渡すのかを、確かに選んでいる。
澪は初めてそのことを少しだけ理解した気がした。
蜜を持つ女性は優しいだけではいられない。
優しさを失うのではなく、優しさの向きを選ぶのだ。
その夜、澪は古いノートを開いた。
白いページに新しい文章を書き始める。
誰かの夜に灯りを置くために。
その前にまず、自分の夜に灯りを戻すために。
Season2 第3話では、澪が「蜜を流す相手」について学びました。
花人にとって蜜とは単なる魅力ではありません。
優しさ。時間。言葉。愛情。身体。感性。
それらすべてが、その人の内側に育つ大切な蜜です。
だからこそ誰にでも無条件に流してよいものではありません。
優しくあることと自分を差し出し続けることは違います。
相手を悪者にしなくても、自分の花が枯れる場所からは離れていいのです。
澪は佐伯さんへの想いを否定したわけではありません。
好きだったことも、待っていたことも、痛かったことも、自分の一部として受け止めました。
しかし、これ以上そこへ蜜を流し続けるかどうかは、自分で選べるのだと知りました。
貴女は誰に蜜を流しすぎているでしょうか?
貴女の優しさは、貴女自身を枯らしていませんか?
冷たくなるのではありません。蜜を守るのです。
貴女の花が美しく咲き続けるために。
澪は自分の蜜を守ることを少しずつ覚え始めました。
しかし、蜜は守るだけでは終わりません。
花の奥で育った蜜はやがて香りとなって外へ漏れ出ます。
そして世界のどこかで、その香りに気づく者が現れるのです。
次回、第4話。
「送粉者の気配」
真島あみのセッション一覧はこちら→🌹
セミナー・セッションのお申し込みはこちらから
🌹・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌹
1番人気の記事です。是非読んでみてください。

メッセージはこちらから↓
