真島あみオフィシャルブログ
21世紀的魔女論

ブブとレディ


 

 

わたしの世界へようこそ。

いつもありがとうございます。

今日も一日、毎瞬毎秒、美を選択しましょう。

 

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ベッドサイドには私の聖域があり、美しいものを置いて眺めたり、カードリーディングをして魔女活を楽しんでいます。

数ヶ月に1回聖域をがらりと変えるのですが、今回新しく黒パグちゃんのフラワーベースと、白ネコちゃんの置物を迎えました。

そして皆さまにお手伝いいただき、名前が【ブブ】と【レディ】に決まりました☺️

対照的な魅力を放つ2匹が並んでいるのがなんだか楽しくて、「このコたちがおしゃべりしてくれたら面白いのになぁ。そうだ夫くん!この2匹の物語書いてよ!」と、隣にいた夫に言ってみたところ(私は夫の書く小説が大好き)

なんと「いいよ。」と返事がきて、仕事の合間1時間ほどで“第1話”を書いてくれました😲

 

「俺なりに、真島あみが伝えたいことを意識しながら書いてみたよ。」と言われて読んでみたら、本当に私の伝えたいことが書かれていて

そしてとても素敵な物語だったので、皆さまにもシェアさせていただきます!

 

ブブとレディの写真を見ながら読んでいただけると楽しいかと思います❤️(ちなみに、隣にいる鳥ちゃんの名前はコットンです🕊コットンも今後登場してくれるかな…?)

 

 

 

【ブブとレディ】

 

 

「とても不自由な生き方ね」

「君の知らない自由の形があるだけさ」

 

 

ブブはいつものように主人が仕事に出かけた後、門の前に立って街を見ていた。

 

主人が帰ってくるまで、ブブはそうやって門の前に立ち街を見つめ続ける。

 

「じゃあ仕事に行ってくる。この家と、街を守ってくれよ」

 

ブブの主人は毎朝そう言って仕事に出掛けていく。

 

夜、主人が帰ってくるまでブブは家と街を守り続ける。といっても、門の前で街を見つめ続けるだけだ。

 

白く美しい毛並みの猫がブブに話しかけた。

 

どこから来たのか?太陽の光に照らされてまるでそれ自体が光っているかのような美しい毛並みだ。

 

街を歩いてここにやって来たはずだが、さっきこの世に生まれたばかりのように何一つ汚れていないように思えた。

 

「私はレディ、あなたはここで何をしているの?」

 

レディの声は透き通っていた。

 

「街を見ている。」

 

ブブはレディに振り向かずに答える。

 

「ずっと?」

 

「朝主人が出て行って、帰ってくるまでさ」

 

「いつから?」

 

「もう何年もずっと」

 

ブブは毎日、街を見つめ続けた。

その日数を数えたことはない。数を知ることはブブにとって重要ではなかった。

 

「なんで?」

 

「主人に家と街を守るように頼まれたから」

 

「私には何もしていないように見えるけど」

 

「あぁ、ただ見ているだけだ」

 

「それで街を守れるの?」

 

レディはもうすっかり大人の猫なのだが、子供のように無邪気に質問を繰り返した。

美しい姿と子供のような無邪気さ。汚れていなかったのは毛並みだけではなかったのかもしれない。

 

「見るってことは、知れるってことだ。知るってことは、守れるってことだ」

 

「そうなのね。私にはよく分からないわ」

 

「難しく考えれば、何でも難しくなる」

 

レディは街から街へと自由に渡り歩いてきた猫だった。

ブブが言っていることも、毎日同じ場所で主人を待ちながら街を見つめ続けることもよく分からなかった。

 

「一日中ここにいて、それを何年も繰り返すなんてとても不自由な生き方ね」

 

レディは思ったことはなんでも口にした。

 

「君の知らない自由の形があるだけさ」

 

レディが話しかけてからブブは初めてレディの方を見た。
しかしそれは一瞬ですぐに街へと視線を戻した。

 

「ずっとここにいて、あなた恋をしたことはあるの?」

 

「あぁ、この街も主人も家も、すべて愛しているさ」

 

「そうじゃなくて恋愛よ。誰かを好きになること、恋人を作ることよ」

 

「ない」

 

「この街と家を守ることよりも、きっと素敵なことよ」

 

「あぁ、そうかもしれないな」

 

「恋をしたことないのに、恋の素晴らしさなんて分かるわけないじゃない」

 

「街を見ていると恋人達の姿も見ることもある」

 

「恋人達を見ることと、実際に恋をすることは違うものよ。外国に行ったことがある人の話を聞いて、その地のすべてを分かった気分になるようなものよ」

 

レディは呆れたように言った。

 

「実際にその地に行っても、何も分からないまま帰ってくる奴もいる」

 

「あなたここから動いても、きっと恋なんて出来なかったわね。だって、言っていることがいちいちめんどくさいもの。めんどくさい男はモテないのよ。それは街を見て知っていた?」

 

レディは皮肉を込めて言った。

 

「あぁ」

 

ブブはその皮肉を気にも留めなかった。

 

「恋は素晴らしいものかい?」

 

レディはブブから初めて質問されたことに少しびっくりした。

 

「そりゃそうよ。恋は私をもっともっと自由にしてくれるからね」

 

「街を行く恋人達をたくさん見てきたが、恋をして不自由になってしまう者もいるようだ」

 

ただ見ているだけなのに、知ったような話をするブブに対して、少し苛立ちを感じながらレディは答えた。

 

「私は生まれた時からずっと自由だったのよ。私を不自由に出来るものなんてこの世にないわ」

 

「そりゃそうだな」

 

ブブは笑った。

 

「あなたは主人に言われたまま、そこに居続けて、私にはとても不自由に見えるけど」

 

「俺は生まれた時からずっと自由さ。俺を不自由に出来るものなどこの世にはない」

 

レディにはよく分からなかった。

 

そんなレディの心を察したのか

 

「自由の形が違うだけさ」

 

ブブは街を見つめがら、そう付け足した。

 

 

 

🐕 🐈

 

 

 

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